キース「スピア…シェイパー!!」
氷女人「リフレクション」
氷女人の周りに、バリアーが張られる。
キース「!!…あれは…、『空への螺旋階段』を守る特殊バリアか…。へへ、『そういう事』かよバール!!」
氷女人「勘が鋭いわね。そう。『空への螺旋階段』の特殊バリアーは私が造ったものなのさ。イキリアの影様の為ならば、何だってする。さあ、この特殊バリアーが貫けるか?九神業火罫ですら破壊出来なかった貴様が、この特殊バリアーを破る事ができるか?いや、できないね。さあ。来るがいい小僧!!」
キース「…やれやれだな。『スピア』でさえ相打ちで終わりそうなのによ。…ま、やってみようじゃねえか。」
炎の槍が変化し、巨大化してゆく―
壬空「あ、あれは…。」
キース「最大の武力だぜ。『フェニックスシェイパー』」
ゴウ…、
月華「…恐らく。このウェポンから外に出たら私達はすぐに焼死してしまうでしょう。全く、壬空から大至急の電話が来たから駆け付けてみれば…、とんだ災難でしたね。」
壬空「ごめんよ〜…」
月華「まあ、『私は』暇だからいいのですけどね。『紅闘士団』、彼等の事も今いち信用できませんでしたし。」
グラ…
壬空達を封じたキースのウェポン『捕獲円』は、城の外へと脱出する。
キース「レディーの胸の中で死にたかったぜ。炎の中で死んでも嬉しくねえ。さあ、俺の炎がどれだけ燃えるか。…試してやろうじゃねぇか!!」
キースと黒い不死鳥が『氷女人』目掛けて飛ぶ。
ギギギギギギギ
キース「行けるぜ!」
バリッ、ドゴォォォ…ン

キースのウェポンが開き、壬空と月華を解放する。
壬空「行ってみよう。十番街へ!!」

―10番街―
コオォォオオオ…
キースの『フェニックスシェーパー』により、ブラッドストリーム…、いや、10番街に巨大な穴ができていた。
恐らく、タナトスも、氷女人も、組織全体も、そしてキースさえ、死んでしまった。それ程酷い有様であった。
壬空「…、死四駒、と、ブラッドストリームはもう消えたのかな?」
月華「…間違いないですね。…そして、何かの衝動により…、『空への螺旋階段』の周りに禍々しく張られていたバリアーも消えています。と、なると…。もう私が『天使の塵』に居る理由も無くなりますね…。」
壬空「…、あの人はどうしたんだろう。白黒の人。」
月華「…恐らく、―」
『キース、奴は死んだよ。』
壬空「きゃ…!頭の中に言葉が浮かんでくる…!!」
月華「これは、テレパシー?」
『我が名はタナトス。不死者だ。貴様等を守ったキースは、死んだ。ついでに氷女人もな。』
壬空「や、やめてぇーッ!頭の中に入ってこないで!!」
「誰が、死んだって?」
壬空「し、白黒の人!」
キース「タナトス。てめえの核は今俺の手中にある。」
『なんだと…!?』
キース「知ってる。これを破壊すればてめえは消える。ハートみたいなモンさ。」
『や、やめろ!そ、そうだ。貴様にも「永遠の命」、くれてやるぞ?』
キース「うそっぱちじゃねぇか。こんなビー玉みたいな核一つでてめえの命が無くなるんだぜ。…じゃあな。」
ボウッ
キース「…と。死四駒消滅って所か。」
月華「貴方…、生きていたのですか。」
キース「まあな、大体女の為に味方裏切って死ぬなんていくら俺でも馬鹿過ぎるだろ?だから、生きたのさ。…ま、それより聞けよ。」
月華「はい。」
キース「俺の名は、キースだ。」
ステーン
壬空「そ、それだけぇ〜??」
キース「ま、それは置いといてだな。今俺が『特殊バリアーを張った張本人』を殺した事によって、『空への螺旋階段』が解禁された。恐らく『紅闘士団』も『天使の塵』も『世界政府』も動き出している。それ程俺達は太陽や月、海、空等というブラッツの『外の世界』を見ていないからな。」
月華「既に紅闘士団は東の大陸へ向かった筈です。天使塵も、古代都市という腑抜けた情報に夢中ですし。」
キース「…まあ、そんなに早く動かねえ方がいいよ。何となく、そんな感がするのさ。」

―空への螺旋階段―
グリニー「サナト大統領。『空』に到達した時は、次は何をされる予定なのですか?」
サナト「う〜ん、そうだねぇ♪とりあえず、東の大陸とやらをじっくり観察しようじゃないか…。」
グリニー「あわよくば」
サナト「クスッ、グリニー、君も焦らしが上手いねえ…♪」
グリニー「サナト大統領程ではありませぬ。」
サナト「退け退け!民衆どもよ!!我の先を進む人間等要らぬ!やってしまえ!グリニー!!」
グリニー「ハッ。『スパイダーアーム』。」
機械のような触手が何本か唸り、前方の人間達を弾き飛ばしてゆく。
サナト「さすが。あっぱれだね。」
グリニー「勿体無いお言葉です。」
ヴォォ…ン
サナト「!何だあれは!!」
『ヴィジョン』が現れ、次第に濃くなってゆく。そして、螺旋階段の中央。サナトの目の前に現れた男は―。
イキリアの影「ようこそ、人間ども。私の名は『イキリアの影』。影を司る武神。時に人間。『空』に何の用かな?」
サナト「何者かね?君は。」
イキリアの影「忌み嫌われる東の『武神』の内の一人。」
サナト「ふん、…どうだね?初めて『西の人間』を見た感想は?私は人間共の統領である。」
イキリア「ふむ。まず、理由を聞きたい。何故、東へ飛ぶ?」
サナト「ただ単に、空を拝みたいからさ。」
イキリア「ふむ。では、どのようにこの『螺旋階段』に入った?」
サナト「ああー、喋るの面倒臭くなってきた。グリニー。変わりに話してやりたまえ。」
グリニー「ハッ。既にこの螺旋階段を遮るバリアーは消えています。我々は、黒き大気『ブラッツ』の下で日の光を見る事の無いまま過ごして来ました。古文によると、このブラッツの外には素晴らしい世界がある、と記されています。我々は、それを見てみたいのです。」
イキリア「その古文は間違いだろう。東の大陸には私を含む武神が散らばっている。東の大陸を除けば、まあまあな見晴らしだろうが。」
グリニー「その『まあまあな』暮らしが私達にはできていません。是非、通して頂きたい。」
イキリア「フン、自分達さえ良ければそれでいいのかね?ブラッツを消してもらおう、とは考えない訳かな?」
グリニー「サナト大統領。」
サナト「ふん、弱肉強食だよこの世界は。強い者が光を浴び、弱き者は永遠とブラッツの下を這いずり廻る。そうだろう?」
イキリア「では、醜く太った大統領とやら。貴様が本当に強者かどうか試してやろう。『シャドゥ・マーシュ』」
影の底無し沼がサナトを襲う!
サナト「…ブハハ!私とて馬鹿ではない。」
イキリア「ふむ、そのウェポンは…。」
サナト「『業傘反』。私には『武力』等というものは効かん。むしろ跳ね返すぞ!!ブハハハハ!!」
イキリア「良かろう。ならば実際に東に飛び、己の愚かさを確認するが良い。」
サナト「時に武神。私達世界政府には東への移動手段が無い。どうすれば良い?」
イキリア「転送してやる。」
ドシュン
イキリア「…フン、バリアが破れたという事は…死んでしまったか。氷女人。」

END
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